資産運用・投資

永久劣後債へ投資:年利5.48%の英国保険会社

こんにちは。元金融マン投資家の甘栗太郎です。

昨年9月頃から配当・利息の最大化とリスク分散のために高配当株式への投資だけではなく、高利回りの海外債券投資を強化しています。

今までの海外債券の主な投資先は米国債と米ドル建社債です。

投資した米ドル建社債は、米国企業、日本企業(メガバンク、トヨタ海外子会社)など発行体の格付が高く安全度の高い普通社債です。

今回、より高い利回りを確保するために英国プルデンシャルの永久劣後債に投資しました。

劣後債や永久劣後債は普通社債よりリスクが高い分、利回りが高くなっています。発行体が破綻した場合に利払いや償還が普通社債と比べて劣後する債券を劣後債と呼びますが、償還期限が定められていない劣後債を永久劣後債と呼びます。

永久劣後債はいつ元本が返るか償還時期は確実には決まっていないので、劣後債より永久劣後債の方がリスクは高いと言えます。ただ、実際には永久に償還されないのではなく、ファーストコールと呼ばれる最初の時点で償還される場合もそれなりに多いです。

株式と比べた債券投資のメリット

株式は株価が大きく変動します。債券も証券会社で償還前に売却する場合は証券会社が提示する市場価格になるため、価格は上下しますが、一般的には株式より変動が小さく安定しています。また、債券は発行体が破綻しなければ償還時には額面100%で返ってきます。

一般的には株式と債券の価格は逆に動くので、株式と債券をあわせて運用すれば、それなりのリターンを得ながら株式だけの場合よりも安全に運用ができる可能性が高まります。

多くの投資家さんは株式投資に偏っていて、債券投資なんて考えたことも無いでしょうが、昨年からの金利上昇・債券価格下落で債券を検討する価値が出てきたと思います。証券会社や銘柄にもよりますが、100米ドル(約13,000円)程度から投資可能です。

英国プルデンシャルの永久劣後債10万米ドルを購入

証券会社の証券情報から抜粋

銀行や保険会社の債券を検討する中で英国大手保険会社プルデンシャルの永久劣後債に投資しました。米国プルデンシャルとは別会社です。

永久劣後債は最低投資単位が大きく、分散投資の観点からは悩みました。しかし、額面を大きく下回るバーゲン価格であり、数ヶ月〜数年で元本100%で償還されるなら魅力的です。

また、永久劣後債は最低でも20万米ドルからの案件が多く、こちらは10万米ドルから投資できることも選択理由です。

20万米ドル用意できれば、もっと条件の良い案件もありましたが無理するのはやめました。

当債券の利息(クーポン)は額面に対して固定金利4.875%ですが、額面100に対して89の支払で計算すると実質5.48%の利回りとなります。現在の米ドル相場130円だと税引前で年4回16万円、年間63万円の利息です。さらに償還時は額面100に対して89で買ったものが額面100で返ってきますから、それを含めると9%程度の利回りを想定しています。

価格は額面割れの89でしたので、実際の支払いは89,000米ドルです。もし4月の最短タイミングで元本10万米ドルが償還される場合、証券情報によると年利49.74%となるようです。

年始に今年の配当・利息は税引前で981万円を想定していると書きました。これは今回の永久劣後債の利息63万円を含みますが、額面100%で償還されて増える分までは考慮していません。

実は昨年の10月から検討し、当時なら額面の84%で買えたので購入タイミングが遅れました。当時から市場のインフレに対する楽観的予測について懐疑的だったため、さらなる金利上昇と債券価格下落を待っていました。しかし、最近の債券価格はむしろ上がってしまいました。

甘栗太郎が今も心配しているのは、市場予想に反する米国金利の利上げ継続です。市場はインフレが少し落ちついてきたので年内の米国金利引き下げを見込んでいます。しかし、甘栗太郎は懐疑的に見ています。実際、米国の労働者賃金は高く雇用は逼迫している状態です。インフレが解消されず、追加利上げに伴って債券価格が急落した時にもバーゲン価格で債券投資ができるよう、キャッシュを確保しておきたいと思います。

なお、利息分は当面は米ドル建MMFで運用します。元本割れはほぼ無く、キャッシュに近いのに利回りは年3.8%とそれなりにあります。まとまったら別の債券に投資するつもりです。

 

それでは、また。

幸せな投資生活を!